犠牲の上に成り立つものは、犠牲がなければ結局成り立たないのですよ。
介護支援が必要になった場合、あらゆる方法を使って、その人を支えていくことが必要になります。
介護保険を使い、デイサービスやデイケア、訪問介護などを利用して、支えていくことが多いのではないでしょうか。
「介護保険サービスを利用すれば、ご家族は今までしていた仕事を続けることができますね。
ですから、家にいる時位は家族が親身になって、優しく介護をしてあげて下さいね。
なんてったって、あなたの「大切な家族」なのですから。
介護休暇を使えば、働かずに介護ができます。どうぞ休んで自宅で介護してくださいね」
上記の内容は、国から介護をする立場の方に言われていることです。
実際はどうですか?
デイサービスなどの「通うサービス」にはサービス提供時間というものがあり、帰ってくるまでには自宅に戻っておかないと、大変な事になるというご家庭、多いと思います。
なかには「ご家族が戻られる時間までお預かりしますよ。いつでも送迎時間を設定していただけます」という介護事業所もありますが、全国に果たしてどのくらいあるかと言えば、ごくごく少数です。
ということは、今まで勤務していた会社では帰宅時間の調整ができないとなった場合、新たに就職先を見つけなければなりません。
この時点で、「今までしていた仕事を続けることができる」自体、すでに難しくなります。
家に帰れば、家事などの仕事があります。家族との交流や趣味の時間も、大切な時間です。
これを確実に確保できればいいのですが、実際はとても確保できる状況にはなりません。介護はハードワークです。
介護休暇については、期間限定です。
御存じのとおり、介護は「いつまで続くかわからない」というものです。
介護休暇の間がんばればよいといったものではありません。もちろん、収入も減ります。
とっても現実的な事を書きましたが、これが現状です。
夫婦の場合、おそらく女性が介護のために職を変えたり、主に介護に携わったりして、今までの生活スタイルを変えながら暮らしている方が多いと感じます。
また、主に介護する人が決まっていき、その人以外の家族が介護に参加せず、任せっぱなしになる事も多いです。
その他の家族や親せきなどから「介護するのはあなたの役目」とか、「するのが当然」なんて、言われたりします。
ここで考えてみましょう。
「もし、あなたが一切の介護を拒否した場合、どうなりますか?」
答えがすぐに出てこなかった場合、もしくは、代わりに介護する人が誰もいないと思ったあなたは今、「介護の犠牲」になっています。
一人の犠牲の上に成り立っている介護は、続きません。
また、あなた一人が背負っていかなければならない事ではありません。
優しく、我慢強いあなたは、本来もっと大切にされてよい存在です。
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