あなたが介護を放棄したら都合が悪くなるのは、介護支援が必要な方だけではありません。
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今、家族の中で唯一介護支援をしている方。
また、介護事業所に勤務していて、終わりがないように感じる量の介護支援をしている介護士の方。
介護支援が必要なご本人にとって、本当に頼りになる方は、そんなあなたです。
多分、言葉では表現しきれない位の感謝の気持ちを、あなたに感じている事と思います。
例えその気持ちを、何らかの症状のせいで口に出せなくても、心の中で「ありがとう」を伝えてくれています。
ここで、ひとつ考えてみたい事があります。
このブログをお読みの方は、きっと「今の状況が、すでに辛い」という気持ちを持たれていると思います。
例えば、介護支援が必要な方は、あなたが介護する事を放棄してしまえば、あっという間に緊急事態に陥ると想像できますね。
介護事業所で勤務している方も、利用している方がたいそう困る事態になる事は、明らかです。
困る人がいるから、自分が頑張らないといけない、そう思っているのではないでしょうか。
確かに、介護支援が必要な方が少しでも困らないよう、あなたはとても頑張っています。
でも、あなたが頑張っている対象は「介護支援が必要な方」だけでしょうか?
例えば
・同居しているあなたの他のご家族や、身内の方
・介護事業所なら、自分以外の職員、上司 など。
あなた以外の、介護支援が必要な方を支えるべき立場の方で、その立場を全うしてい
ない方たち。
そんな方たちの役割まで、あなたが全て背負っていたとしたら、どうでしょうか。
人には「自分の領域」と「他人の領域」があります。
その領域をそれぞれ大切にしていくことで、自分以外の人とのちょうど良いバランスが取れるようになります。
そのバランスがうまくいかないと、途端に苦しい思いをするようになります。
それぞれがリュックを背負っていると仮定します。
自分以外の人に「ちょっと持って」と頼まれたとしましょう。
あなたは「ちょっとの間ならいいか」と、それを了承します。
すると、他の人からも「私のも持って」と言われます。
あなたは「これ以上は重くて無理かも」と思いますが、「あの人のは持ってくれたのに」とか、「これくらいならいいじゃない」などと言われて、人助けと思って我慢して了承します。
この時点で、あなたは周囲から「断れない人」「自分の役割をさせてもいい人」と認定されています。
いよいよ重くなり、それぞれのリュックを返そうとしますが、「もう少しお願い」や、「持ってくれるといったじゃないか」などと言われてしまいます。
あなたとしては「人助け」のつもりでも、ゆだねた方にしてみれば、この時点で
「責任感がない人」「役に立たない」なんて、それこ無責任な事を言ったりするものです。
でも、よくよく考えてみれば、あなたは無責任ではありません。
あなたの領域に、自分の都合を優先してリュックを押し付けてきたのは、あなた以外の人です。あなた以外の人が、自分の領域について無責任なのです。
都合が悪い事を、あなたの責任に転嫁しているのです。
介護支援も、自分一人でしている状況にあれば、上記のリュックのような事になります。
あなた一人が背負うべき問題なのか、周りもそれぞれ背負うべき問題なのか。
まずは、背負いすぎたリュックを、「自分にとっての適量」に調整する必要があります。