介護家族・介護士専門カウンセラー MELLOW

介護ストレスとうまく付き合っていくための、こころの安全基地

<介護士の方へ>指示は受けるが、威嚇は正直「困っているのね」程度の認識で事足ります。

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前回、威嚇したり偉そうな態度を取る人(以下、上司と仮定します)は「困っている人」と書きました。

上記のような態度の上司は、いつも「怒っている」イメージがありませんか?

 

怒りは、周囲にとても伝わりやすいものです。

困っているなら素直にそういえばいいものを、回りくどく「怒り」という表現にしてしまうのは、そうでもしないと自分を保てない「弱い人」ということです。

その弱さを見せないための,,手っ取り早い表現方法が、「怒り」なんですよね。

 

また、「怒り」はものすごく簡単な表現方法です。

しかも、その内容はといえば

・ちっきしょー、あったまに来たぞ!

・自分の言う事が一番なのにー!

・なんかムカつくー、八つ当たりしてやれ!

・だれかなんとかしてくれよー!

せいぜい、こんなものです。

 

この上司が理解していないのは、周囲は自分に合わせるのが当然だ、と思っている事。

自分は偉い立場なのだから、周囲は気を使って当たり前・うまくいくように努力して当たり前、だいたいそんな調子です。

 

「怒り」でしか対応できない上司は、自分の意見や立派な指示を言っているつもりになっているだけ。

そう、ただただ「表現力が幼稚」な人です。

 

 あなたはそんな状況にある時の上司の攻撃を、真面目に受け取る必要はありません。

 

上司があなたを威嚇したり、偉そうな態度で攻撃していたら、

仕事としての付き合いを考えた場合、聞くポイントは以下の通り。

 

・その指示の内容は仕事の話かどうか

 

この1点だけです。

 

 たとえば、その人が「だいたいお前は~」とか、「この間も~」とか言っていたとしたら、それはすでに仕事の指示ではありません。

 仕事とは関係ない、あなたに向けた「個人攻撃」です。

 

ある日、事業所内で転倒事故が起こったとして、上司が以下のように言ったとしましょう。

「なんで転倒なんてさせたんだ!①

 きちんと見てたら、こんな事起こるわけないだろう!②

 大体お前は普段から注意が足りないんだ!③

 この間も転倒があったばかりだろう!④

 いったいどうするんだ!⑤」

 

こんな事、言われたり、言われていることろを見たりした経験、ありませんか?

どうやら、ものすごく「怒っている」ことだけは、伝わってきますね。

 転倒事故だけでも、当事者や、その日勤務していた職員にとっては、衝撃を受ける出来事です。

 衝撃を受けているときに、さらに上司からこんな事を言われてしまって、ドキドキするし、「どうしよう!」とパニックになったりします。

「こんな事故を起こしてしまって、もうダメ・・・」と、心の中で自分を責めてしまったりもしますよね。

 

このセリフ、よ~く読んでみて下さいね・・・

 

さて、この中に「指示」はありますか?

 

そう、ないのです、一言も。

 

①から⑤までを、上司の「心の声」に置き換えてみましょう。

①→転倒なんて、どうすればいいんだ!誰か対処してよ!

②→転倒がなければ、自分がその後の対応もしなくて済むのに!

③→もう、八つ当たりするぐらいとっても困ってるんだ!

④→ついでに、この間の事も思い出した、言ってやれ!

⑤→とりあえず、責任を一旦こいつにかぶせて責めてしまえ!

 

中身はこんなもんです。

 

 上司がする正しい行動は、以下の通り。

①転倒後、転倒者に対して速やかに最適な対処をする

②状況を把握し、今後の防止策を通達する

③通達事項が実行されているか確認する    以上

 

特に、例文の③などは、以前の転倒で、対策がなされていない、もしくは、対策がうまく機能していないという事です。

 

いいですか、上記のようなことを言われたら、まず

「指示かな?八つ当たりかな?それとも、人格攻撃?」

これを、冷静に考えましょう。

その場にいたら、怖くて冷静になんてなれないかもしれません。

でも、これでは答えようがないのも事実です。

 

指示が入っていなければ

「ああ、困ってるんだな」と考えてみましょう。

⑤については、あなたが一人で決定すべきことではないのですから、

たとえば

「防止策について、職員で検討する時間をください」

くらいに答えておいてよいと思います。

 

そして、実際に事故が起こり、上司が困っていることが理解できたときは、

「困らせたね」の意味合いのみで

「すみません」とねぎらえば、そこまででよろしいかと思いますよ。

 

どんな問題がおこったにせよ、社員個人で解決するのが仕事ではありません。

あなたがしっかりと勤務していたとして、全責任を負わなければいけないような事は、実際さほど起こりません。

今回は転倒事故を例に挙げましたが、もし上司から

「二度と事故を起こすな!(ありがち)」

なんて言われても、自分を必要以上に責める必要はありません。

自宅で起こり得る事故は、事業所で100%防止する事は不可能です。

不可能な指示は、受ける必要はありません。

 

普段から、介護士は相当神経を使って、真面目に勤務しています。

その上で、十分注意をしながらそれでも事故が起こったとしたら、解決策は個人ではなく、企業全体で考えるべき事です。